泉谷顕縦塾長の地頭力コラム
「急速に変貌する世界で生き残るためのコンパス」として子育て中の保護者にオススメの一冊
2020/02/12 公開
2021/10/13 update
『ライフロングキンダーガーテン 創造的思考力を育む 4つの原則』
ミッチェル・レズニック著、日経BP社
人間は実世界に触れたり体験したりすることを通して学びます。
特に子供達は、自ら進んで自分にとって大事なものを創っている時に最も良く学びます。「興味は学びのための燃料」なのです。
最近日本でも、小学校での「プログラミング」必修化が話題となっていますが、
本著では、「コーディングを学ぶ」のではなく、「学ぶためにコーディングする」ことを奨励しています。
探求し、実験し、自らを表現する機会を子供達に提供し、「創造的思考力」を育む。我々が提唱する「算数を切り口にした地頭力づくり」にも相通じる感覚です。
日本における従来の受験塾でみられる「演習とテストに基づいた直線的な教育」に対する全面的な抵抗と興味追求型の共同学習が今求められています。
これからの時代、コンピューターやロボットが日常的な業務を引き継ぎ、
人間は、創造性と多様性に特化した今とは異なる役割を担います。
益々、世界を見る目と人生への取り組み方を身に付けられる教育環境が求められます。
従来の教育は,試験と競争に明け暮れる侘しい文化に足を取られています。
その文化は今や幼児期の教育にも浸透しつつあり、
幼い世代に芽生えつつある創造的なエネルギーを妨害してしまうリスクがある。
この様な方向性を変えていくべきだ。と述べられています。
指示とルールに従い、教科書に書かれた問題を解き、テストで好成績を取る「A学生」ではなく、
自分自身の問題を定義し、最も革新的でアイデアと創造的な新しい方向性を生み出し、不確実さと変化を創造的に乗り越えていく「X学生」が求められている。
MITのメディアラボには、リスクに立ち向かい、実践する「X思考」のメイカーたちが集まっているようです。
昨今の幼児教育は早期識字指導に重点を置き、遊び心のある探求のための時間が短縮されている。
まるで、リテラシー・ブートキャンプ(読み書きをスパルタで詰め込む訓練場所)の様であると。
まさしく、日本の「お受験塾」は、そんな感じです。
本著では、創造的思考力を育てる最善の方法は、
「情熱に基づくプロジェクトに仲間と共に遊び心に満たされながら、取り組むことを支援すること。」
だと述べられています。
ぜひ、一読をおすすめ致します。
塾長 泉谷顕縦
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