上席顧問津田克彦先生のブログ
ブログ第4回「伸びる子に育つ」
2021/04/16 公開
2021/10/31 update
プラチナム学習会顧問の津田克彦です。ブログ第4回をお届けします。
いよいよ新年度がスタートしました。初めての幼稚園、初めての小学校、あるいは1年進級した新しい学年のスタート、園児・児童にとって大きく環境の変わる時期です。保護者の皆様にとっても期待と不安の日々のスタートだと思います。そこで、今回からは、「伸びる子に育つ」というテーマでお話をしていきたいと思います。
(1)教育は大きく変わる
今までも、お話してきたとおり、2020年の指導要録改訂(小学校)は今までにない大きな改訂です。教育内容もそうですが、教師による指導の仕方が大きく変わろうとしています。今まで長期にわたり、教師主導だった授業を、児童・生徒が主体の授業に変えようとするものです。極端な言い方をすれば、「先生に教えてもらったことを、児童・生徒が覚える」という受け身の授業をやめ、「児童・生徒自らが主体的に考え、児童・生徒同士で授業を展開していく」能動的な授業を行っていきます。
では、どうして今までの授業形態を見直し、新しい授業形態に変えることになったのでしょう。それは、今までのように「知識」優先の授業では、思考力や創造力、主体性やコミュニケーション力が育ちにくいからです。教育とは、その時代(あるいは将来)の社会が、求める人材を育てていくことを目標としています。すなわち、現在の幼児・児童が社会で活躍する時代には、思考力・創造力に優れ、主体的に物事に取り組め、さらに、周りの人とコミュニケーションが取れる人材が求められるということです。
(2)幼児期に伸ばしたい力
私が教壇で指導していた時代は「学力をつける」ことが最優先でした。社会が「成績の優秀な学生」を求めていました。よい会社に就職するために、少しでも就職に有利な大学に入る、中学校受験のために偏差値の高い中高に入学する、そのために小学校時代には塾で難しい勉強をする、というエリートコースと呼ばれる流れができていました。子ども達は少しでも良い点を採るために一生懸命、夜遅くまで知識を詰め込んでいました。その反動からか、子ども達は「学ぶ」=「知識の習得」と考えるようになってしまい、大学に入学と同時に学ぶ意欲を失う学生が多いと言われてきました。私は知識量の豊富さ(学力)を否定するつもりはありません。今でも、一定量の学力(認知能力)は必要です。物事を考えたり、創造するにも知識は必要不可欠です。しかし、これからの時代は、学力と共に、思考力、創造力、コミュニケーション力、国際理解力、さらに意欲や忍耐力、協調性や責任感といった人間性も生きていくには重要となってきます。そして、そのほとんどが幼児期から小学校の時期に基礎がつくられるのです。
(3)家庭で育てたい力
学校は社会性を学ぶところです。小学校がその第一歩です。今まで、家庭で大切に守られてきた子ども達は、小学校という家族以外の人との集団の中で、いろんなことを経験していきます。友だちと自分自身の違いを知ります。我が家のルールと学校(社会)のルールの違いを知ります。その違いを自分なりに理解し、場に適応していく力、すなわち社会性を身につけるのが小学校教育の目標の一つです。学校という社会で活躍していくためには、それまでに家庭で基礎的な力をしっかりと身につけておくことが重要です。幼児期に家庭で育てたい力とは、「意欲、自立心」「我慢、自律心」「仲間づくり、協調性」「基本的生活習慣」「基本的運動機能」などです。
これらの力を家庭で育てるために、何も難しいことをしていくわけではありません。日々の生活の中で、親(大人)が、これらを少し意識して育てていくことで子どもは変わっていきます。「子どもは親の鏡」という言葉があります。親(大人)が少し、意識して生活するだけでも、子どもは育ってほしい力をつけていくのです。
次回から詳しくお話していきます。
「子は親の鏡(一部抜粋)」 ドロシー・ロー・ノルト
励ましてあげれば、子どもは自信をもつようになる
広い心で接すれば、キレる子にはならない
誉めてあげれば、子どもは明るい子に育つ
愛してあげれば、子どもは人を愛することを学ぶ
認めてあげれば、子どもは自分が好きになる
見つめてあげれば、子どもは頑張り屋になる
守ってあげれば、子どもは強い子に育つ
(「子どもが育つ魔法の言葉」より)
〈つぶやき〉のコーナー
最近、通信販売(通販)で物を買う機会が増えてきました。以前は購入する実物を見ないと不安で、通販で買う勇気がありませんでした。きっかけは書籍です。欲しい本があっても、書店に行く時間がない、書店に行っても、お目当ての本を探すのが大変だったり、在庫切れだったり。その点、通販だと、すぐに検索してお目当ての本を見つけられる、さらに翌日には届くし、送料もかからないのでとても便利です。そして、まんまと通販の手口に嵌ってしまいました。1冊お気に入りの本を買うと、必ず、親切に私の好むような本を紹介してくれます。ついついその本も欲しくなり買ってしまったこともしばしば。そのうちに、定期的に本の紹介が送られてきて、また購入。まっ、書籍に関しては、購入しても無駄にはならないし、今まで手に取らなかった本や著者とも出会えるのでいいのですが、問題は、書籍から始まった通販での購入癖です。この1年だけでも、通販で衝動買いして、ほとんど使わずに置きっぱなし、あるいは、すでに処分してしまったものがあります。例えば、庭に設置するゴルフネットなどです。もちろん商品が悪いわけではありません。我が家の庭の風の強さや、庭で頻繁に練習するような性格ではないことを忘れていた自分が悪いのですが、1週間ほど使ってみて取り外しました。もちろん返品もできるのでしょうが、そんなまめな性格でもありません。そして、何より困るのが財布からお金が減らないということです。(もちろん通帳からは引き落とされます)。なんて反省しているようですが、今日も通販を利用する私です。
上席顧問 津田克彦
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