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上席顧問津田克彦先生のブログ

【津田克彦の「個人の意見です!」】第3回「記憶力」

上席顧問 津田克彦

上席顧問 津田克彦

2022/12/08 公開

2023/08/22 update

 人には、それぞれ得意不得意があります。今まで、教育の現場でたくさんの小学生と接してきました。低学年では、成長の早さも学力の差の大きな要因ですが、同じぐらい「記憶」の得手不得手が学力の差になっていることが多いです。
確かに記憶力は学力を支える大きな要素です。学習は「覚える」ことがたくさんあります。一つのことを短時間で覚えることのできる子どもは良い成績に繋がります。小学校の学力の差は記憶力の差と言っても過言ではありません。小学校1年生で習うひらがなや数(たし算や引き算)、漢字などは、記憶力が学力の差となってあらわれます。
記憶力の差が「勉強のできる子」「勉強の苦手な子」と捉えられがちで、親は我が子が記憶が苦手だと「うちの子は勉強ができない」と感じ、子ども自身も「ぼくは、私は勉強ができないんだ」と誤解しがちです。幼児期から小学校低学年で植え付けられた「勉強の苦手な子」というイメージが、その後の学力を決定づけてしまうことも稀ではありません。
しかし、記憶力だけが学力を形成しているのではありません。小学校高学年では記憶力だけに頼っていた子どもが躓き始めるケースもあります。また、記憶が苦手だった子どもが、思考力、創造力、表現力などで学力を伸ばすことも多々あります。記憶力の優れている子どもでも、思考力や創造力などが伴ってこないと、伸びてきません。

 最近、幼児期から非認知能力を育てておくことが将来の学力に繋がると言われています。それは記憶だけに頼る小学校教育の反省でもあると思います。

 しかし、「漢字がさくさく覚えられる」「九九がスラスラ唱えられる」子どもでも学習(努力)はしています。その時間が短時間かそうでないかの違いです。では、覚えるのに時間がかかってしまう子どもはどうのようにしたら良いのでしょう。まず、親が「わが子は勉強ができない」と思わないでください。記憶が苦手なだけです。苦手なら時間をかけて学習すればよいのです。

 記憶力と一言に言っても「聞いて覚える記憶」「見て覚える記憶」「唱えて覚える記憶」などがあります。私立の小学校入試問題でも「先生のお話を聞いて覚える」問題や「提示された絵を覚える」問題などが出題されます。必ずしも両方の結果が一致するわけではありません。同じ記憶力でも、その子どもにとって得手、不得手があるのです。

 2年生で九九を勉強します。みんな一斉に「唱えて(聞いて)」覚えるのが一般的です。しかし、紙に書いて覚えた方がすっと入る子どももいるのです。
私は記憶力が優れている方ではないと自覚しています。学生時代から、とにかく文字にしないと覚えられなかった方です。だから、会議や講演会でもメモをとります。そうすることで「聞くだけで覚えることのできる」人と、同じぐらい覚えることができるのです。

 我が子は「記憶が苦手」と思う前に、いろいろな方法を試してみてください。我が子の新しい力を発見できるかもしれません。
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上席顧問 津田克彦

上席顧問 津田克彦

元私立小学校校長、元大阪府私立小学校連合会会長。 プラチナム学習会では保護者相談、進学指導、及び、「小学校受験対策集団コース」を担当。元私立小学校校長の長年の経験を活かした、噂に左右されない本質的な指導で万全の準備を進めます。特に小学校入学後に後伸びできる子ども達の指導に努めています。

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