上席顧問津田克彦先生のブログ
【津田克彦の「個人の意見です!」】第12回「小学校教育の多様化の影響」
2024/07/10 公開
2024/07/11 update
先日、大阪府の吹田市に一般社団法人が運営する学校が2025年度に開校すると報じられました。6歳からの募集なので小学校に位置づけされる学校だと思われます。既存の小学校との違いは「社会直結型の体験を通して社会で必要な知識やスキルを学ぶ場の提供」「教科書の内容をタブレットで学ぶ」「教員一人に対して10人未満の少人数制」「英検などの合格を目指す英語教育」「年齢に関係なく学習する異学年のクラス」など、まったく新しい教育現場と言って良いでしょう。
小学校は歩いて通える地元の公立小学校に通うのが普通でした(現在でも全国の98%近い子ども達が公立の小学校に通う)。しかし、最近はこれ以外でもインターナショナルスクールや、フリースクールなど、文部科学省の範疇を超えた小学校教育の多様化が起り、選択肢が増えてきています。この傾向は今後ますます加速していくように思います。わが子に「どのような教育」を受けさせたいのか、そのために「どのような学校」で学ばせたいのか。まだ5歳の園児に選択させるのは無理です。小学校選びは親の責任です。保護者の方々の時代では考えられない経験のない選択です。そのために、うわさなどに惑わされず内容をしっかり吟味する必要があります。これは私立小学校や国立の附属小学校、公立の小中一貫校などにも言えます。
小学校教育の多様化の影響
日本の小学校は、文部科学省の指定の教科書で、学習指導要領※に則り、全国共通の教育が行われてきました。全国どこに住んで
しかし、最近では文部科学省や各都道府県、市町村の教育委員会の規制が緩くなってきていると感じています。不登校児童生徒の支援のためのフリースクールや、無認可のインターナショナルスクールの存在等、受けたい教育機関の選択の多様化が特別なものではなくなってきています。さらに、公立小学校等でも文部科学省指定の教科書が、従来のペーパーの教科書だけでなくタブレットなどを使った電子教科書なども使われ始めました。学習指導要領の改訂で、子ども主体の「自ら学び自ら考える力などの『生きる力』を育む」をねらいとする方向が示されました。今までのように「覚える」ことや「計算の技能」「文章の読む力」を身に着ける、から「学ぶ意欲」「思考力・判断力・表現力」などの学ぶ力を向上させるねらいです。以前から「読み・書き・計算」はできるが、高学年になるにつれて思考する力が必要だと言われ続けてきました。ですから今回の改定のねらいはとても重要なことだと思っています。新しい学習指導要領の実践は各学校の取り組み方が問われます。よく言えば各学校の裁量に任せられる部分が多いということです。そのために今までのように全国一律の教育は行われない可能性があります。学校現場では、先生が教壇に立ち、一方的に教えていく教育から、子ども達主体の、グループで考えたり、教えあったり、発表する教育が主になるはずです。そのような教育には教員の確かな力量も必要です。学校より教育の取り組みや内容の違いが大きくなっていくでしょう。
そのような新しい教育への取り組みを保護者の皆さんも関心を持って見つめる必要があります。子ども主体の教育は時間を必要とします。子ども主体の教育を推進していくために、今までのように「学校(先生)が徹底して教えてくれる、定着させてくれる」ことから、各子ども個人の習熟度に合わせて、学習の不足分や徹底しきれない部分は家庭で補わなければならなくなるかもしれません。
また、子ども個々人の考え方や、各家庭の考え方の多様化で、「しつけ」と呼ばれる生活習慣の徹底も学校では難しい時代になってきています。そのために各家庭で今まで以上に生活習慣(しつけ)の定着を図る必要も出てくるでしょう。
日本の教育は、間違いなく新しい時代に入ってきています。保護者の皆さんが受けてきた教育とは違ってきています。わが子の受けている教育に関心を持ち、何が家庭教育で必要なのかを考えていく時代なのです。
小学校は歩いて通える地元の公立小学校に通うのが普通でした(現在でも全国の98%近い子ども達が公立の小学校に通う)。しかし、最近はこれ以外でもインターナショナルスクールや、フリースクールなど、文部科学省の範疇を超えた小学校教育の多様化が起り、選択肢が増えてきています。この傾向は今後ますます加速していくように思います。わが子に「どのような教育」を受けさせたいのか、そのために「どのような学校」で学ばせたいのか。まだ5歳の園児に選択させるのは無理です。小学校選びは親の責任です。保護者の方々の時代では考えられない経験のない選択です。そのために、うわさなどに惑わされず内容をしっかり吟味する必要があります。これは私立小学校や国立の附属小学校、公立の小中一貫校などにも言えます。
小学校教育の多様化の影響
日本の小学校は、文部科学省の指定の教科書で、学習指導要領※に則り、全国共通の教育が行われてきました。全国どこに住んで
いても一定の水準の教育を受けることが
できます。日本の国民の基本的(読み書き
計算等)な教育水準が高いのはそのお陰と
言っても過言ではありません。
そのような新しい教育への取り組みを保護者の皆さんも関心を持って見つめる必要があります。子ども主体の教育は時間を必要とします。子ども主体の教育を推進していくために、今までのように「学校(先生)が徹底して教えてくれる、定着させてくれる」ことから、各子ども個人の習熟度に合わせて、学習の不足分や徹底しきれない部分は家庭で補わなければならなくなるかもしれません。
また、子ども個々人の考え方や、各家庭の考え方の多様化で、「しつけ」と呼ばれる生活習慣の徹底も学校では難しい時代になってきています。そのために各家庭で今まで以上に生活習慣(しつけ)の定着を図る必要も出てくるでしょう。
日本の教育は、間違いなく新しい時代に入ってきています。保護者の皆さんが受けてきた教育とは違ってきています。わが子の受けている教育に関心を持ち、何が家庭教育で必要なのかを考えていく時代なのです。
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上席顧問 津田克彦
元私立小学校校長、元大阪府私立小学校連合会会長。
プラチナム学習会では保護者相談、進学指導、及び、「小学校受験対策集団コース」を担当。元私立小学校校長の長年の経験を活かした、噂に左右されない本質的な指導で万全の準備を進めます。特に小学校入学後に後伸びできる子ども達の指導に努めています。
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