泉谷顕縦塾長の地頭力コラム
塾長通信 Vol.1~小学校受験をさせるべき?という親御さんの悩み~
2019/07/06 公開
2019/07/07 update
変わる“小学校受験の意味”
最近、「小学校受験をさせるべきか?否か?」とか、
「小学校受験のベストな取り組み方」についてよく質問を受けます。
こんな時、私は渋沢栄一さんの「論語と算盤」を参考にお答えします。
プラチナム学習会では、小学校受験を通過点と考えていますので、合格がゴールではなく、合格後のあと伸びを大切にしています。
渋沢栄一さんは明治・大正の激動期に活躍された偉人ですが、その著書の中で
「知恵があってこそ、初めて運命を切り拓ける」と学問の大切さと日々の努力について訴えておられます。
昔は少数の凄い子供を育てる「天才教育」が中心で、「100人から1人でも秀才を輩出できれば良いという教育」でしたが、
昭和・平成の時代は、多くの子供を同じくらいに育てる「常識教育」が中心で、「99人の平均的人物をつくることはできますが、人格ある人を育てるという精神が抜けているため、 平均的人材の過剰供給をもたらす教育」となってしまいました。
学問において「昔は心を磨くことが第一」とされていましたが、昨今は知識を詰め込むことを最重要視し、
精神の修養が後回しにされてしまうため、子供の人格形成において大きな危うさを伴っています。
そんな中、ここ数年、慶応大学の幼稚舎など名門私立小学校の受験において ペーパーテストを取りやめ、行動観察や面接を重視する人物本位の入試スタイルが拡がりを見せ始めました。
大阪の賢明学院小学校などでも本年度からペーパーテストを取りやめるそうです。
この様な背景には、幼児期から丸暗記学習や詰め込み学習、反復学習などで年長さんの秋頃に完璧に仕上げたお子さんを選抜したところで、
これからの時代に通用しないことが分かってきたからです。
令和という新しい時代を迎え、これから求められる人材は、処理能力の高い均一的な人材ではなく、何かに秀でたスペシャルな能力を持ちながら高い人間性を併せ持った人材です。
渋沢栄一は、「武士道の神髄」を
・廉勅(真っ直ぐなこと)
・義侠(弱者を助けること)
・敢為(筋を通すこと)
・礼譲(礼を尽くすこと)
などの人間の美徳をすべて合わせたものだと言っています。
アメリカのメジャーリーグで活躍する二刀流で有名な大谷選手や、2020年の東京オリンピック出場を目指す子供達をみていると、
一流選手になるには、共通して、弛まぬ努力と心の鍛錬が重要です。
(VOl.2に続く)
塾長 泉谷顕縦
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