泉谷顕縦塾長の地頭力コラム
「自由七科」と「STEM教育」
2020/01/27 公開
2020/02/13 update
2020年、日本の教育現場では、100年に一度ぐらいと言われる大変革期を迎えていますが、
本質のところ「算数力の更なるの強化が急務である」と警鐘が鳴らされている様に私は感じています。
アメリカの様なIT先進国でも大学では、
ローマ時代の末期に成立したという「自由七科」(じゆうしちか)
を起源とするリベラルアーツを大切にしています。
「自由七科」とは、詩を含む弁舌の才を鍛える「文法」、「修辞学」、「論理学」の「三学」と、
数学にかかわる「四科」:「算術」、「幾何」、「天文」、「音楽」で構成されています。
中でも、特に数学にかかわる「四科」のことを「中世の四科」と呼び、
中世ヨーロッパでは一般教養の要として、大変重要視されてきました。
「算術」は、因数、素数、完全数やフィボナッチ数、リュカ数の様に
空間や時間とは関係の無い主題で構成されています。
「幾何」は、数を空間で表しています。
「音楽」は、数を時間で表しています。
「天文」は、数を時間と空間で表しています。
音楽や天文学も昔は数学の一部だったのです。
アメリカの小中学校では、2009年にバラク・オバマ氏が大統領に就任し、
「STEM教育」が一気に加速しました。
特に2013年の国民に向けて公開されたビデオメッセージ:
『アメリカが最先端の国であり続けるには、若い国民に、
私たちの生活を変えてくれるようなツールや技術を習得してもらわねばならない』、
『ゲームで遊んでいる場合ではない、ゲームを創る側にまわらないとアメリカの将来は無い』
『新しいゲームを買うだけではなく、つくってみよう』
と呼びかけました。
「STEM教育」とは、
Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Mathematics(数学)
の頭文字をとったもので、
これからの社会に対応するために身につけるべき教育の四領域です。
※最近では、Art(芸術)を加えた「STEAM教育」も話題になっています。
「STEM教育」が重視されるようになった根底には、
STEM人材(専門性の高い理工系職に就く人)の急激な需要拡大と不足にあります。
ここでもやはり、四領域の要は「数学」で、その基礎となる「算数」教育が重要なのです。
このように、これからの日本では、理数系に強く、イノベーションの起こせる人材が求められます。
ぜひ、プラチナム学習会で算数を切り口に地頭を鍛えて、次世代のリーダーを目指して下さい。
日本の未来は、
子供たちが切り拓くのです。
塾長 泉谷顕縦
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